こんにちは!
今日はFACTFULNESSを読んだので紹介したいと思います。
著者の紹介
この本の著者は医師であり、学者・教育者でもある、ハンス・ロスリングさんという方が書いた本です。
学生の頃は医学・統計学を学ばれていました。
その後、スウェーデンにおいて国境なき医師団の設立に携わり、またスウェーデン王立科学アカデミーのメンバーとして活躍された、素晴らしい方です。
著書「FACTFULNESS」は彼が晩年に書いた本ですが、執筆中に末期の膵臓癌と診断されました。
癌を告知された後は、他のすべての予定をキャンセルして、この本を完成させるのに集中したという、なかなかマネのできない方です。
「FACTFULNESS」概要
FACTFULNESS(ファクトフルネス)とは、事実に基づいて考えましょう!という意味です。
本書のテーマは
その思い込みにより世界をありのままに見れない
ということを繰り返し伝えています。
例えば、3択問題を出されたときに、何の知識もないものであれば、
正答率は33%となるが、我々の思い込みの強さは想像以上に大きいため、
3択問題の正答率が10%程度に落ちてしまう、ということである。
つまり、チンパンジーに問題を出せば平均正解率33%を出してくるが、
我々が持っているバイアス
人というのは教育、またはメディアの情報により多大なる影響を受ける。
その中である種の洗脳のように刷り込まれていることがある。
具体例としては、
・人間は、「良いこと」より「悪いこと」の方が目につきやすい。
(昔を懐かしみ、過去を美化しがち)
・人間は無意識に二極化して考えがちである。
(例、富と貧困、正義と悪など。)
・人間はどうしても直線的に考えてしまう傾向がある。
(「このまま人口が増え続けると、世界の人口がパンクする」という思い込みなど)
というように、得た情報を元にして、上記のバイアスにより、本来とは違う解釈をしてしまうのである。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/01
- メディア: Kindle版
問題
例えば、以下の問題に答えられるだろうか。
①現在の世界の平均寿命は
(a)50歳
(b)60歳
(c)70歳
②世界中の極度の貧困層の割合はこの20年でどうなったか
(a)2倍になった
(b)変わらない
(c)半分になった
正解は、いづれも(c)である。
我々はつい今まで得た知識の中で、悪いことについてより深く印象に残してしまう。
また、世界は2極化した世界だと思い込み、先進国と発展途上国しかなく、発展途上国の人は全員が飢餓に苦しんでいるかのように思い込んでしまう。
この問題の正答率は10%以下であり、普通のサラリーマンだけでなく、学者や弁護士といったエリート達も間違えている。
対策
以上のようなバイアスから逃れるにはどうしたらよいのか。
ひとつは、
メディアからの情報を鵜呑みにしない
ということです。
我々の周りは情報であふれています。
ワイドショーでのコロナウイルスの煽り、保険の営業マンの不安をそそられる勧誘、不動産会社の営業。
全てはある商品を買わせるために、都合よく情報を解釈して、説明されています。
人間は、「良いこと」より「悪いこと」の方が目につきやすい。
この人間の心理をうまく利用しているのです。
例
例えば、保険の営業マンが
日本人の2人に1人は癌が原因で亡くなります。だから癌保険に入って備えましょう!
と言ってきたとします。
嘘は付いていないので日本人の2人に1人は癌で亡くなるのでしょう。
しかし、日本人の2人に1人が癌でなくなることと、癌保険に入らなければならないことは、結びつくのでしょうか?
癌で亡くなる2人に1人の内の大半の方は80歳、90歳を超えて、たとえ癌になっていなかったとしても、寿命で亡くなる方かもしれません。
老衰で亡くなったのに、その時癌があったら死因として癌もカウントされています。
一方で、癌保険で本当に保証料が欲しいのは何歳の人でしょうか?
90歳になって癌が分かったとして、お金がいっぱい必要になるでしょうか?
本当に必要なのは、40歳前後で、家族を養っている人でしょう。
しかし、40歳前後で癌が発症する確率は何%なんでしょうか?
40歳までに癌になる確率は0.5%しかなく、60歳までに癌になる確率でも実は7%しかありません。
そのような低確率なリスクに対して、高い保険料を毎月払う必要はあるのか?
ぜひ考えてもらいたいです。
(このようなことを把握した上で契約するのは問題ないと思います)
インドネシアはどうなのか
話は変わりますが、少し気になったので、私が現在住んでいるインドネシアについて調べてみました。
もちろんインドネシアは発展途上国に分類され、ジャカルタなどの都市はあるものの、
私が住んでいるところは、道路にヤギや水牛が堂々と歩いているような地方です。
①平均寿命
織田信長は「人生50年」と歌い、我々日本人は世界トップクラスの85歳。
インドネシアは・・・60歳程度かなと思っていました。
現在なんと72歳でした。
②出生率
日本の少子高齢化が話になってから数十年。日本の現在の出生率は1.4人程度です。
一方で、人口大国のインドネシア。人口2億7000万人は世界4位です。
ではインドネシアの平均出生率は・・・4~5人かなと思っていました。
現在なんと2.3人でした。
最後に
最近の世界の変化は目まぐるしく、20年前の常識が現在では通用しません。
これは何もテクノロジーに限った話ではなく、世界の人口や生活水準にも言える話です。
聞いた情報を真に受けるのではなく、その裏に隠された意図をくみ取れるようになりたいです。
難しいこともたくさん書きましたが、この本の著者は、人類は悪い方へ向かっていると思いがちだけれど、本当は良い方へ向かっているんだよ、だからそんなに心配しなくていいんだよ、ということも教えてくれます。
以上、少しでも参考になれば幸いです。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/01
- メディア: Kindle版
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